Accessとノーコード

僕の知る限りMicrosoft Accessは現在も運用可能な最古のノーコードツールだと思います
ちゃんと調べたら1.0リリースって1992年だったんですね
説明文によると「Microsoft社による『データベースツール』」とありました
Accessの不幸はデータベースツールと付けられた事だと僕は思っています

今でこそノーコード全盛ですがAccessは買い切り型のノーコードツールと言う事ができ、実は全くコード(VBA)を書かずにシステム構築ができます
価格は3万円前後(PCの台数分必要)
しかしデータベースツールと付けてしまったがため敷居が高く感じ知られ素人目から敬遠されるのではないかと思います。
ノーコードだけでなく少し高度な事を実現するためにマクロやVBAのコードで記述することもできます、そういう意味ではローコードツールであるとも言えますね
Accessには大きく分けてデータベース部分とフロントエンド部分があり社内ネットワーク内で小規模のシステム構築程度は可能だと思います
データベース部分とは「テーブル」と「クエリ」と呼ばれる部分で、フロントエンド部分は「フォーム」と「レポート」と呼ばれる部分です。
これを1つのファイルで構築する事もできますがあえて分離する事で複数PCでデータ共有できたり、フロントエンドの改修がしやすくなったり、データベース部分だけバックアップしたり色々と便利なシステム構築ができます
ただし社内の複数PCでデータ共有しようとするとやはり専門知識が必要ですし、外のお客様に対してサイトを公開したいなどの用途には使えません
ちなみにVisualStudioのC#などでシステム構築をする場合何かしらのデータベースが必要となりますが、Accessのデータベースを利用する事も可能です

システム構築の基本ですがニーズに合わせたツールや手段を用いるのがコストを抑える最も大事な事であり「これでも実現可能だから」とベンダーの言いなりでリッチなものを入れる必要は全くありません
また業務環境は社内外事情で日々変わっていきます、システムはそれに連動するものなので生き物であり導入して終わりではなく逐一世話が必要なものであるという認識を持って頂きたいと思います。
従ってAccessでシステム構築をしているからと言ってレベルが低いなどと言う事はなく、コスト・規模・要件などを検討した結果導入し過不足ないなら他人にとやかく言われる筋合いはない訳です、大きなお世話というやつです

【今回の単語解説】
・ノーコードツール : (プログラム)コードを全く書かないでシステム構築ができるツール(だと僕は理解しています)、主にシステム構築未経験者向け
・ローコードツール : (プログラム)コードを極力書かずにシステム構築ができるツール(だと僕は理解しています)、主にシステム開発者が工数を減らす為に導入します
・フロントエンド : ユーザーが直接触れる部分入力画面とか出力結果とか表に出る部分のこと
・テーブル : 直接データが格納される場所のこと
・クエリ : テーブル同士をつなげて(リレーションと言います)ひとつのデータ群のように扱う方法
・フォーム : Accessで言うところの「画面」の事
・レポート : Accessで言うところの「帳票」の事